基板が腐食・故障する原因とは?湿気・塩害・腐食性ガスのリスクを解説|ハヤコート
「新しく設置した機器がすぐ故障する」「交換してもまたすぐに同じ箇所が壊れる」——こうした繰り返すトラブルの原因として見落とされがちなのが、設置環境による基板への「環境ストレス」です。この記事では、基板腐食・絶縁不良の主な原因と、そのメカニズムをわかりやすく解説します。
1湿気・結露による基板トラブル
湿気は基板トラブルの最も一般的な原因です。プリント基板は表面に微細な導電パターンが密集しており、水分が付着すると以下のような問題が起きます。
絶縁抵抗の低下
基板表面に水分が付着すると、本来は電気を通さないはずのパターン間に微弱な電流が流れるようになります。これが絶縁抵抗の低下で、機器の誤動作・暴走の原因になります。
イオンマイグレーション
水分の存在下で電圧が印加されると、金属イオンがパターン間を移動する「イオンマイグレーション」が発生します。これが進行するとパターン間が短絡(ショート)し、最終的に機器が故障します。高密度実装の基板では特に発生リスクが高く、近年注目されているトラブルです。
結露による急激なダメージ
屋外設置機器や空調機器では、温度差によって基板表面に結露が生じることがあります。結露は大量の水分が短時間で基板に付着するため、絶縁不良や腐食が急速に進行するリスクがあります。
2塩害による基板トラブル
沿岸・臨海地域や海上設備では、潮風に含まれる塩分(塩化ナトリウム等)が基板に付着します。塩分は非常に腐食性が高く、金属配線・はんだ接合部・コネクタピンを急速に腐食させます。
- 銅配線・はんだの酸化腐食による断線・接触不良
- コネクタ・接点部の腐食による接触抵抗の増大
- はんだ接合部の腐食による機械的強度低下
3腐食性ガスによる基板トラブル
温泉地・工場・下水処理施設などでは、硫化水素・アンモニア・塩素などの腐食性ガスが空気中に存在します。これらのガスは、銀や銅などの金属部品を著しく腐食させます。
硫化による変色・腐食
硫化水素が銀メッキのコネクタや銅配線と反応すると、硫化銀・硫化銅が生成されて表面が黒く変色します。これが進行すると導電性が失われ、接触不良や断線が発生します。温泉地の通信機器・監視機器では特に多く見られるトラブルです。
4トラブルを未然に防ぐには
環境ストレスによる基板トラブルは、一度発生すると基板全体の交換が必要になるケースも多く、コストと時間がかかります。設計段階から「コンフォーマルコーティング」による予防対策を組み込むことが、最も効果的で経済的な解決策です。