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基板の防湿・防錆コーティングとは?ハヤコート完全ガイド | サンハヤト

「屋外設置の機器で基板が錆びてしまった」「温泉地の現場で回路がすぐ腐食する」「湿気の多い環境で絶縁不良が起きる」——電子機器の設計・製造・保守に関わる方なら、こうした環境ストレスによる基板トラブルを経験したことがあるのではないでしょうか。

こうした課題を根本から解決するのが「基板用防湿コーティング剤(コンフォーマルコーティング)」です。この記事では、コンフォーマルコーティングの基礎知識から、サンハヤトの主力製品「ハヤコート」の特長・ラインナップ・選び方・採用事例まで、まとめて解説します。

1なぜ基板の環境対策が必要なのか

電子機器はさまざまな環境に置かれます。屋外の寒暖差による結露、沿岸・臨海エリアの塩分を含んだ潮風、温泉地や工場内の腐食性ガス、空調や換気が不十分な場所の高湿度……。こうした環境ストレスは、基板にさまざまなトラブルを引き起こします。

環境要因 引き起こすトラブル 主な発生場所
湿気・結露 絶縁抵抗の低下
イオンマイグレーション
パターン腐食
屋外機器・空調機器
寒暖差の大きい場所
塩分(塩害) 金属部品・配線の腐食
はんだ接合部の劣化
沿岸・臨海地域
海上設備・車両
腐食性ガス(硫化水素など) 銀・銅のマイグレーション
接点抵抗の増大
温泉地・工場
下水処理施設など
有機溶剤・化学物質 樹脂部品の劣化
絶縁被膜の損傷
化学・製造工場

これらのトラブルは製品の信頼性低下・クレーム・リコールに直結します。設計段階から環境対策を組み込むことが、製品品質を守る上で非常に重要です。

2コンフォーマルコーティングとは?

コンフォーマルコーティング(conformal coating)とは、プリント基板の表面に薄い保護被膜を形成し、湿気・腐食・汚染物質などから回路を守る技術です。「conformal=形状に沿った」という意味のとおり、部品の複雑な形状にも追従して均一な被膜を形成するのが特徴です。

被膜は電気絶縁性と防湿性を兼ね備えており、基板全体を薄くコーティングするだけで、環境ストレスに対する耐性を大幅に向上させることができます。IEC・IPC・JIS等の国際規格でも採用が推奨されており、屋外・産業・車載など過酷な環境で使用される電子機器には欠かせない技術です。

3ハヤコートとは? 5つの特長

ハヤコートは、サンハヤトが長年の実績と技術を積み重ねて開発した基板用コーティング剤です。コンフォーマルコーティング剤として、多くの産業分野で採用されています。

🛡️

① ガスバリア性|有害ガスから基板を守る

硫化水素・塩素・アンモニアなどの腐食性ガスの侵入を遮断。温泉地や工場での使用実績も豊富。硫化ガス比較試験では未塗布基板が腐食するのに対し、塗布基板は変色なし。

② 絶縁性|狭ピッチパターンの絶縁信頼性を向上

細かいパターン間に絶縁被膜を形成し、湿気による絶縁抵抗の低下を防止。高密度実装・狭ピッチ化に伴うショートリスクを低減し、長期信頼性を維持します。

🔗

③ 密着性|多様な素材に対応

はんだ面・金属(銅・銀・アルミ等)・各種樹脂(ABS・塩化ビニル・PET等)・磁器など、基板上のほぼすべての素材に良好な密着性を発揮します。

④ 作業安全性|有機溶剤規制の適用外

有機溶剤中毒予防規則に非該当。排気装置・防毒マスク・特殊健康診断などの義務が発生せず、特別な設備投資なしに導入できます。

🧩

⑤ 低樹脂影響性|ほぼすべての部品に使用可能

樹脂影響性が低く設計されており、プラスチック部品や樹脂モールド部品を侵しません。様々な部品が混在する実装基板にも安心して使用できます。

4ハヤコートのラインナップ

ハヤコートは、作業環境・用途・生産体制に合わせて選べる豊富なラインナップを揃えています。大きく「室温硬化タイプ」「UV硬化タイプ」に分かれます。

室温硬化タイプ

室温で自然硬化するタイプです。特別な硬化装置が不要なため、少量生産・試作・補修作業にも手軽に対応できます。硬化後の被膜はリワーク(再はんだ付け)が可能で、被膜を剥がさずにそのままはんだごてを当てられます。また除去剤を使った部分的な除去も可能です。

タイプ シリーズ名 バリエーション こんな用途に
原液タイプ ハヤコート Mark2 EF
ハヤコート Mark2 EF(中乾燥性)
全6色
(クリア・蛍光・黄・緑・赤・黒)
刷毛塗り・ディップ・ディスペンサー塗布など
量産ラインにも対応
エアゾール(スプレー)タイプ ハヤコート Mark2 全4色
(クリア・蛍光・黄・緑)
少量生産・試作・補修
手軽に始めたい場合に

カラーバリエーションが豊富なのもハヤコートの特長です。クリア(透明)以外に蛍光色・黄色・緑色・赤色・黒色を取り揃えており、色付きタイプは塗布状態の目視確認が簡単にできるため、塗りムラや塗り忘れの防止に役立ちます。

UV硬化タイプ

紫外線(UV)を照射することで数秒〜数十秒で硬化する、生産性重視のタイプです。室温硬化タイプと比べて硬化時間を大幅に短縮でき、量産ラインのタクトタイム削減に貢献します。また無溶剤タイプのため、VOC(揮発性有機化合物)の排出がなく、環境負荷の低減にもつながります。

タイプ シリーズ名 バリエーション こんな用途に
UV硬化タイプ(標準) ハヤコートUV 全2色
(クリア・蛍光色OB)
量産ライン向け
タクトタイム短縮
VOC削減・環境対応

ハヤコートUVは高粘度設計で、ディスペンサーによるピンポイントコーティングが可能です。コーティングが不要な箇所(コネクタ・スイッチ等)を避けながら、必要な箇所だけに精密に塗布できます。

💡 ポイント ハヤコートは「試作・少量生産」から「大規模量産ライン」まで対応できるラインナップを揃えています。まずスプレータイプで試し塗りし、量産化の際に原液タイプやUVタイプへ移行するという活用方法も一般的です。

5ハヤコートの採用事例

ハヤコートは以下の分野で量産向けとして幅広く採用されています。

採用分野 主な用途・環境
FA・産業機器 FAロボット向け制御基板
工場内の粉塵・湿気・腐食性ガス対策
車載・交通システム 車載制御基板・信号機・発券機
振動・温度変化・塩害への長期耐性
屋外・通信インフラ 携帯基地局・監視装置・通信装置
野外の湿気・結露・塩害対策
空調・家電 エアコン室外機
結露・塩害・腐食対策
特殊環境 温泉地向け通信・監視装置
腐食性ガス(硫化水素等)への対策
音響・自販機・その他 野外音響装置・自動販売機
CPUオーバークロック時の結露対策

6ハヤコートの選び方

用途・生産量・作業環境に応じて、最適なタイプを選びましょう。

こんな場合 おすすめのタイプ
まず試してみたい・補修作業に使いたい スプレータイプ(ハヤコート Mark2)
量産ライン・刷毛塗り・ディップ対応 原液タイプ(ハヤコート Mark2 EF)
リワークしたくない・速乾が欲しい Mark2 EF 中乾燥性タイプ
タクトタイム短縮・VOC削減が必要 UV硬化タイプ(ハヤコートUV)
塗布状態を目視確認したい カラータイプ(蛍光・黄・緑・赤・黒)
ピンポイントコーティングが必要 UV硬化タイプ(高粘度)

7まとめ

湿気・塩害・腐食性ガスによる基板トラブルは、適切なコンフォーマルコーティングで大幅にリスクを低減できます。ハヤコートは、ガスバリア性・絶縁性・密着性・作業安全性・低樹脂影響性という5つの特長を兼ね備え、多くの産業分野で採用実績を持つサンハヤトの主力製品です。

スプレータイプの少量品から量産向け原液タイプ・UV硬化タイプまで、用途に合わせたラインナップを取り揃えています。基板の環境対策でお悩みの際は、ぜひハヤコートをご検討ください。まずはスプレータイプでのお試しも可能です。お気軽にお問い合わせください。

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