"基板"って自分で作れるの?
課題解決
原図フィルムやCAD作図のポジフィルムをポジ感光基板に重ねて、紫外線露光 → 現像 → エッチング → 穴あけ → 仕上げの工程で本格的なオリジナル基板が作れます。
手順1:アートワーク
配線パターンを作成します。
作成する基板の回路図に従って、配線パターンを描きます。
最終的に基板には、ここで描いたパターンどおりに銅箔が残ります。
Point
- 作画が完了したら、光に透かして薄い箇所やパターン切れを確実に修正してください。
遮光性の善し悪しが基板の仕上がりに大きく影響します。 - 次工程に移る前に、インクが十分乾いていることを確認してください。
手順2:露光
パターンを感光基板に焼き付けます。
フィルムとクイックポジ感光基板をクランプで密着固定し、ライトボックスで露光します。作業はできるだけ暗い部屋で行ってください。
- 露光とは:パターン以外の部分に光をあてて、次工程の現像液に反応(溶出)する状態にします。
Point
- パターンは現像で現れます。露光後のパターン部の色変化はほとんどありません。
- フィルムは裏表を間違えないでください。
- フィルムと感光面にすき間ができないように密着させてください。
- 露光時間は感光基板の製造経過時間や使用するライトボックスによって変わります。ライトボックスの説明書に従って作業してください。
手順3:現像
感光基板を現像します。
露光後のクイックポジ感光基板を現像液に入れ、縦・横に静かに揺らします。
20~30秒程度で光のあたった箇所の感光剤が溶け出して、パターンが現れます。パターンが現れたら、速やかに液中から引き上げ、水洗いします。
作業はできるだけ暗い部屋で行ってください。
Point
- 現像液の温度は30℃前後が適温です。
- 水洗いは流水を避け、ため水で行います。また手早く行ってください。
手順4:エッチング
露光後の感光基板をエッチングします。
現像後のクイックポジ感光基板を水洗いしてからエッチング液に入れ、パターン以外の銅箔を溶解します。
バット(樹脂容器)でエッチングを行う場合は、現像後のクイックポジ感光基板をエッチング液に入れ、エッチングが終わるまで液中で静かに揺らします。作業時間は約10分です。
エッチングが完了したら水洗いし、基板に残った感光膜を除去します。
Point
- エッチングに最適な液温は40℃前後です。
- 十分な液量で作業してください。
手順5:穴あけ
部品取り付け用の穴を開けます。
エッチングが終わったら、部品を取り付ける箇所にドリルで穴を開けます。ドリルを使用するときは水平で安定した場所で作業を行ってください。
Point
- センターポンチなどで穴のセンターに軽く刻印を打つと、ドリルビットのスリップが防げます。
- 安全のため、保護メガネの着用をおすすめします。
手順6:仕上げ
部品取り付け用の穴を開けます。
必要に応じてシルク印刷、スルホール、外形加工などを行います。
Point
- スクリーン印刷でのスキージングは、引き始めてから終わりまでスキージの角度(70度くらい)を変えることなく、一定の力(印圧)とスピードで行ってください。